サステイナブルな夢

ダテーラ農園は「サステイナビリティ(持続可能)」という単語が現在ほど知られていなかった80年代に誕生しました。そのような時代背景において、ダテーラコーヒープロジェクトは環境保護と社会発展に基づいたスペシャルティコーヒーを生産することを目指していました。ダテーラは、お客様に安定性と信頼性を保証することによってお客様とのパートナーシップを築き上げるべきと考えていました。

私達は、元々グレードAの牛乳を生産していたフランカ(モジアナ地方)でコーヒーの生産を始めました。この初めてのコーヒーベンチャーは、ダテーラの指導者であるルイス・パスコールがエルネスト・イリー博士と出会うきっかけをもたらしてくれました。イリー博士はルイスに、ミナスジェライス州のセラード地区で土地を探すインスピレーションを与えました。

私達はミナスジェライス州セラード地区の中でもパトロシーニョのエリアがコーヒーの生産に非常に適していると分かりました。標高が高いため、ユニークなフレーバーやアロマを作り出すことが可能でした。さらに、クロップシーズン中に品質コントロールができるため、その砂漠のような気候が非常に有益な資産であるということが分かりました。

そして、それぞれボア・ビスタ、タブオエと呼ばれる2つの大きな区画を取得した際に、私達は生産拠点をセラード地区に移しました。しかし、これらの農園は農業的観点からも環境面でも非常に悪い状態でした。

私達は農園内や農園周辺よりセラードの動植物の生態系、土壌、湧泉を再認識しなければなりませんでした。そのため、私達はESALQ(サンパウロ市立大学のルイス・デ・ケイロス氏)と提携し、PEA(環境妥当性プログラム)と呼ばれるダテーラ初の環境基準を開発しました。

ダテーラが土地をリノベーションして高品質なコーヒーを生産・輸出するまでに実に10年かかりました。10年という長年の学びと経験があったからこそ、ブラジルで初めてレインフォレスト・アライアンス認証とISO14001を取得することができたのです。その後、UTZ認証及び一部の有機農園にはIBD有機認証(注意:JAS有機ではなく、ブラジルの有機認証です)を取得しました。また、サステイナビリティの原則をより強固にするため、また、全体のサプライチェーンを活性化させるため、サステイナブル認証を受けた輸出業者にのみ私達のコーヒーを売ることに致しました。さらに、私達はこの知識を小農家にも共有して社会発展やコーヒー生産を促進し、自然と共生しながら高品質コーヒーを生産し続ける専門家を育てております。

これらの理由から、「自然と人と共に成長し続けるコーヒー」というのが私達のスローガンであり、哲学なのです。なぜならば、土壌、水、職員、コミュニティ、周りにあるすべてのものとの関係は、品質と世界中にいるお客様との関係と同様に重要だからです。

これまでの旅は決して平坦な道のりではありませんでしたが、私達が夢を持ち続けるには十分のパワーがありました。私達のトリプル・ボトム・ラインである「人類、地球、幸福」を達成するには20年間の投資とレジリエンス(復活力)が必要でした。現在のダテーラは、情熱的なチームによって実現し普及した偉業を心から誇りに思っています。

それでも、私達にはまだまだ非常に深刻な課題に直面していると感じます。農法による被害を軽減するだけでは十分ではありません。私たちが目指すのは、科学・技術・多くの情熱に頼りながら研究とイノベーションを続け、世界で2番目に重要なホットスポットであるセラード地区の生物群系を保護し、進歩させることです。

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